Fabuland第4話

前回のお話(第3話)
こっそり盗み食いをした事を、ファビュランド関東に赴任してきたお巡りさんに捕まえられると勘違いし、西にの小さな森まで逃げてきたフレデリーケ。

「ああどうしよう、こんな所まで来てしまった…今すぐ戻って謝れば、お巡りさんは許してくれるかしら。今頃、ヨハンは心配しているのかな…でも、私が盗み食いをした事を知って、怒っているかもしれない!」

「それにしても、ここは公園なのね。素敵。白いベンチがある!こんな所にこんな素敵な場所があっただなんて、皆に教えてあげたいわ!…でも、私、帰れるのかしら…」

そう考えて、フレデリーケは落ち込みました。
盗み食いをした事を今さらながら後悔していると、遠くから声が聞こえて来ました。

聞き覚えのある声、それはルドルフとマリーでした。

フレデリーケはとっさに木の影に隠れました。

「きっとヨハンに頼まれて、私を捕まえるために探しに来たんだ!!」

「ねぇマリー、こんな近くに公園があったなんて、知らなかったね」
「本当に!ほらルドルフ、可愛らしいベンチがある。ツタのお花もとっても可愛いわ」
「引っ越してからバタバタして忙しかったけれど、今日は久しぶりにゆっくり過ごせそうだね」
「そうね。あ、私ね……」

どうやらルドルフとマリー、こっそりデートのようです。

「あちゃー。私ったら、何て間が悪いんだろう!
ここで出て行ったら、2人のデートをぶち壊しだし。だからといって、ずっと隠れて2人のデートをのぞき見するのも失礼だわ。でも見つかったら捕まってしまう…どうしよう、どうやってここを抜け出そうか…」

フレデリーケは、悩みに悩みました。

悩みに悩んで、フレデリーケは決めました。フレデリーケはただ思いきり走って逃げたのです。

もちろんルドルフとマリーはフレデリーケにすぐに気付きました。
「あれ!フレデリーケ!?」

大声で呼ばれても、フレデリーケは振り返りません。

「フレデリーケ、待って!」
ルドルフとマリ−が追いかけて来ました。それでもフレデリーケは止まらず、振り返らず、一目散に走ります。

「どうして逃げるんだい、待ってよフレデリーケ!」

ルドルフ達から逃げまどううち、フレデリーケはとうとう町まで走って来てしまいました。

「あぁ〜戻ってきちゃったよ〜」

あきらめて走るのをやめると、もう後ろにはすぐルドルフとマリーが追い付いてきていました。

息を切らしながらルドルフが聞きます。
「フレデリーケったら、何で逃げたんだい、マリーが焼いたお菓子があったから、一緒にどう?って思ったのに…」
「え、えぇーーーーーー…?」

フレデリーケは、なぜ自分が逃げたのか、そのわけをルドルフとマリーに話しました。

ルドルフは笑って「はっはっは!フレデリーケらしいね。大丈夫、僕らは君を捕まえに行ったんじゃないよ。ヨハンだって、ちゃんと謝れば許してくれるよ。」と言いました。
マリーが「一緒に謝ってあげるから、ヨハンのところへ戻ろう」と言いました。

フレデリーケは十分反省をして、ヨハンのところへ行くことにしました。

「ヨハン!ごめんなさい!」カフェに戻ってフレデリーケがそう言うと、ヨハンはこう言いました。
「全くだよ!手伝いをサボってどこかへ行ってしまって!それに皆心配したんだから!」
怒った口調でも、フレデリーケが戻って来てよかったと、ヨハンは優しい顔をしていました。
「そうじゃなくて…私…内緒でカフェのお菓子を食べてしまって…それで…本当にごめんなさい」

それを聞いてヨハンは心の中で笑いました。

「僕の予想は、大当たりだった!」

フィリップもツェップスも心配していたと知り、フレデリーケは皆と一緒にお隣の交番へ行きました。

「フィリップさん、ツェップスさん。心配をかけてごめんなさい」

フレデリーケが謝ると、2人とも嬉しそうに
「やぁフレデリーケ、おかえりなさい」
と言ってくれました。

「みんなとっても心配していたんだよ。フリデリーケが急にいなくなってしまったから。一体何があったのか、それはあえて聞かないけど。これからは皆に心配をかけないようにね」

ヨハンが小声でフレデリーケに言いました。
「今回の盗み食いの事は大目に見てあげる。僕達だけの内緒だよ」

そしてフレデリーケは、マリーが焼いたお菓子を2つも食べて、すっかり御機嫌になりました。

そしてヨハンに西の森の公園の事を教えてあげました。

「今度、ルイやエレオノーラさんも、皆誘ってピクニックに行こうね!」

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