Fabuland第5話

双児の子ネズミ、クラウスとユリウス。同じ双児でも、お顔も性格も、ちょっと違います。

例えば…

兄のクラウスは活発で、でもちょっといたずらっこ。
「ニンジン、もーらいっ」

ルイ「あー!僕が育てたニンジンがー!!」
フィリップ「こらクラウスー!!」

弟のユリウスは内気で、でもとっても人思い。
「ルイお兄ちゃん、フィリップさん、ごめんなさいごめんなさい!」

ルイ「きみが謝らなくてもいいんだよ」
フィリップ「ユリウスはとっても優しい子だね」

実はファビュランド関東には、子供がこのクラウスとユリウスしかいません。
本当はもうクリスマスなのに、皆忙しくてクリスマスの飾り付けをする事さえできませんでした。
大人達もほとほとクラウスのいたずらぶりには困っていました。ヘルマン町長はため息をつきながら言いました。
「きっと寂しいんでしょうなぁ…クラウスは人の気をひく事ばかりして。ユリウスは大人の目ばかり気にしよる。ルイ、そんなにへこむでない。ニンジンなんぞまたすぐに生えてくる」

そんなある日、南の方から見知らぬ人が町にやってきました。

「町長さんのお宅はどこですか?」

ヘルマンのいる住宅に案内された彼はこう言いました。
「郵便屋のアントンと申します。実は先日、静岡からこちらへ引っ越してきました。手紙を預かってきたので、挨拶がてらよらせていただきました」

ヘルマン「手紙?一体誰にだい?」

アントン「この関東に住む子供達と、それから…ヨハンさんに」
ヘルマン「子供達に!残念だ、この町には子供が2人しかいないんだが、今ちょうど西の森へ遊びに行って留守なんだ。なんなら私が預かっておこう」
アントン「じゃぁお願いします。で、ヨハンさんは?」

「ヨハンならカフェにいるよ」
様子を見ていたルイが言いました。

ルイにカフェを教えてもらい、アントンはヨハンに手紙を届けました。

アントン「東京のウォルフさんから預かってきました」
ヨハン「ありがとう!フレデリーケ、懐かしいね、ウォルフさんから手紙だよ!」

ヨハンはとっても喜びました。

早速ヨハンはルドルフとマリーも呼んで手紙を読みました。
「”新しい村はどうですか?どんどん発展しますように!”だって。嬉しいな。クリスマスカードだよ。あとでお返事を出そうね」

ヘルマンとルイに見送られ、アントンが村へ帰ろうとした時、遊びに行っていたクラウスとユリウスが西の森から帰って来ました。

アントン「おやおや、あのコ達ですか。元気そうな子供達ですな」
ヘルマン「元気すぎて手をやく程ですよ。友達がいないから、寂しいのか毎日いたずらばかりで…」

「やぁ坊やたち、こんにちは」
アントンが声をかけると、2人は不思議そうに「おじさんはだぁれ?」と言いました。

アントンは突然いい事を思いついて言いました。「町長さん、もしよければこの子達を村へ連れていってもいいですか?」

ヘルマン「それはかまわないが…」



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