「それ、僕のステッキなの。返してくれない?」 振り返ると、声の主は、皆のちょうど頭より少し高い所に浮いていました。 |
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「妖精だ!」 クラウスは迷う事なくすぐさまステッキを妖精に返しました。初めて見る妖精に、子供達は大興奮です。 「僕、妖精に初めて会ったよ!シュテファニーお姉ちゃんが読んでくれた御本の中にしかいないと思ってたの!妖精って本当にいるんだね、会えて嬉しいよ!」 |
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妖精は照れくさそうに言いました。 「ステッキ、返してくれてありがとう。これね、魔法のステッキなの。だからなくしちゃうと妖精の王様に怒られちゃうところだったよ。本当は、僕ら妖精はひとの前に姿を現しちゃいけないんだ。だけど、あっちでイイ匂いがしたからね、出て来ちゃったの。ステッキを落とした事にも気付かないでね、へへ…」 クラウス「イイ匂い?」 妖精「うん、木陰に、おいしそうなものがあったよ。あれ、君たちのじゃないの」 |
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「あ!パイだ!!」 「フレデリーケお姉ちゃんが持ってきたんだ」 「おいしそうだね…」 妖精「きっと、皆のおやつに持ってきてくれたんじゃないの?」 「そうなのかなぁ…」 |
「おいしかったねぇ」 「ゴチソウサマデシタ」 「フレデリーケお姉ちゃんの分もとっておいてあげたから、大丈夫だよね」 |
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妖精「それじゃぁそろそろ、僕は森に帰るね。それから、くれぐれも皆、僕に会った事は内緒だよ!王様に知れたら、もう2度と会えなくなっちゃうかもしれないから…」 「うん!絶対に内緒にするよ、だからまた、きっと会おうよね!約束だよ!!」 |
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「ああ、私のパイが…」 妖精の存在に驚くより、パイの事をなげくフレデリーケ。 それとも、もう大人のフレデリーケには妖精の姿は見えないのかな… |
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