Fabuland第9話
cafe de nico -カフェ・ド・ニコ-

「はぁ…」
朝からフィリップとツェップスがため息をついています。
ヨハンが気を利かせて尋ねます。
「何か悩みごとでも?」
フィリップ「いやね、女の子と仲良くなるというのは難しいもんだなぁと思ってね。しかも、まだ1度きりしか会ってないのだよ。どうしたら話すきっかけができるのか、ちょっと悩んでいるんだ、なぁツェップス」
「お、おい、フィリップ」
ツェップスがほんのちょっとあわてます。
「ははぁ、2人して恋の悩みですか」
ヨハンがそう言うと、ちょうど電話が鳴りました。
「はい、cafe de nico…あ、シュテファニー?」

!!
その名前に、2人はついドキっとしてしまいました。

「うん、うん…え、本当!?それは嬉しいなぁ、いいの?じゃぁ是非頼むよ、ありがとう。待ってるからね」
「シュ、シュテファニーがどうかしたのかい」
フィリップがどもりながら聞きます。
「ええ、東京から集会所の子供達にバナナが送られてきたんですって。いっぱいあってとても食べ切れないから、うちの店におすそわけしてくれるって、今からシュテファニーが届けに来てくれるそうなんです。
「へ、へぇ、そうか。シュテファニーが、ここに、来るのか。そうか、そうなんだ」
2人の動揺っぷりに、勘のいいヨハンは何となく気付いてしまいました。

「ははーん、2人の恋のお相手は、もしかしてシュテファニーかな…ふふ、そうかぁ」
少しして、店の前に車が停まる音がしました。

「あ、シュテファニーかな」

皆いっせいにドアの方を向きました。
ルイでした。

「何だルイか」
「何だとは何ですか!何だとは。せっかくバナナを持ってきたのに!!」

「え?」

するとルイに続いてシュテファニーが入って来たではありませんか。
「こんにちはぁー」

「シュ、シュテファニー!!」
つい、フィリップもツェップスも声をあげてしまいました。

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